タニヤ通りとは
タニヤ通りとは、タイ王国の首都・バンコクの中心にあるシーロムの一角にあって、シーロム通りとスラウォン通りとを結ぶ全長約200mのタニヤ通りを中心としたエリアのことである。
タニヤ通りをメインストリートとして、西側に並行して走る短い路地の「タニヤ通り2」、タニヤ通りの途中から分岐してから東側へ伸びる「ソイヤダ」、タニヤ通りの東側に並行する「ソイジムトンプソン」などの周辺エリア全域が、タニヤとよばれている。
日系企業も多く入るオフィス複合ビルのタニヤプラザをはじめとして、数多くのカラオケと呼ばれるクラブやバー、日本料理店、居酒屋、土産物店、ゴルフ用品店、カフェ、薬局、美容院、タイマッサージ店などが並んでいる。
もともと、バンコク銀行の本店などがあるビジネス街でもあるシーロムエリアなので、近隣には多数の日本企業がタイ支社を構えている。BTS(スカイトレイン)のサラデーン駅はタニヤ通りの目の前にあり、MRT(地下鉄)のシーロム駅も徒歩3分の距離のところにあるという交通アクセスも便利な場所でもある。
このため数多くの在タイ日本企業の駐在員が接待や商談、飲み会をするために訪れ、日本からの観光客も夜遊びやゴルフコンペの打ち上げなどでやってくる。
この様子から、「リトルトーキョー」とか「ソイ・ギンザ」などと呼ばれている街だ。
日本語しか使わないで食事や買い物ができてしまう
タニヤ通りに足を踏み入れると驚くのが、日本語がやたら目に付くということ。タニヤ通りにある建物には日本語で書かれた看板だらけである。
「大阪王将」や「世界の山ちゃん」「リンガーハット」など、日本のなじみのあるチェーン店までそろっている様子を見ていると、まるで、タイではなく日本にいるのかと錯覚するほどである。
実際に、こうしたカフェや居酒屋に入ってみると、日本語で「いらっしゃいませ!」とあいさつをされ、日本語で書かれたメニューを差し出される。
オーダーをすると、日本と同じ味と品質の料理が出てきて飲食を楽しめる。
追加オーダーや会計もすべて日本語。タイ語どころか英語すら一度も使わないですべてのサービスが不便なく受けられる。海外に来ているのにとても気が楽だ。
タニヤの名物のカラオケとは
そして、タニヤ通りには“カラオケ”と呼ばれる、日本人客対象のキャバクラやクラブ、バーなどが多く店舗を構えていて、日系飲食店を含めてアジア最大規模の100店舗以上が、このタニヤに密集する一大歓楽街となっている。
夜になると、色とりどりの華やかなドレスや、キャビンアテンダントの制服やセクシー浴衣などの、少しエッチで目を引くコスチュームに身を包んだタイ人ホステスたちが、それぞれの店のあるビルの前の路上に並ぶ。
そしてチーママやガイドと呼ばれる客引き達と一緒に、タニヤ通りを歩く日本人に日本語で「一杯どうですかー?」「可愛い女の子がいますよー。」などと声をかけ、目が合うと笑顔で手を振り店に上がって飲んでいくように誘っている。
カラオケの店へ入ると、中にも大勢の女性たちがひな壇に腰かけて待機していて、「日本語ができる娘~」「やさしい娘~」などとチーママの呼びかけにあわせて手をあげて、アピールをしてくる。
気になるタニヤ嬢を選んで、一緒に飲むと、日本語が片言レベルから通訳級までそろっているので色々な会話が楽しめる。日本語カラオケが置いてある店がほとんどなので自分のお得意の歌を思う存分歌うことができる。
ビジネスの打ち合わせや接待、観光なら気軽な晩酌から宴会まで楽しめる。
これがタニヤ通りである。タニヤの魅力はまだまだたくさんあって、簡単にすべてをご紹介しきれないが、だいたいの雰囲気はつかんで頂けたかと思う。
ハワイやグアム以上に日本語が通じる、世界でも珍しい「日本人街」として多くの日本からの観光客とビジネスパーソンで、今日もにぎわっている。まだご存じない方は、ぜひ一度遊びに来て頂きたい。