
タイ政府のCCSA(コロナ対策局)は、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大防止のために行われている非常事態宣言について、8月末まで1か月再延長すること了承をした。これに伴い観光客の受け入れも先送りとなる。現地のニュースの詳細についてお伝えしたい。
非常事態宣言の延長理由について
2020年7月21日、バンコクでCCSAは国家安全保障会議と会議を行い、現在タイ全土で施行中の非常事態宣言を8月末まで一か月延長する事を了承した。
正式な非常事態宣言延長の決定は、7月22日にプラユット首相が了承する事で、決定されることになるが、ほぼ確実に延長が行われることとなった。
タイ政府は、 この非常事態宣言の再延長について理由を説明している。
新型コロナウィルスの感染者はタイ国内では55日間にわたり新規感染者が発生せず抑え込みに成功している一方で、世界の状況は、感染の拡大がまだ収まらないことを指摘。
もし、タイが非常事態宣言や各種制限を解除した場合、外国からのウィルスが流入しかねず、せっかく感染を抑え込んだ成果が台無しになり、感染が再び拡大することに対策をしないといけない、という趣旨である。
これに対してタイ国内では、現政府への抗議行動などをさせないためのものであるとして反発する声もある。また、経済への影響が大きいとして危惧する考えも強い。
タニヤ・夜遊びへの影響について
非常事態宣言の延長をうけて、航空旅客便のタイへの乗り入れも制限が続くことになる。
日本人観光客がタイへ遊びに行けるようになるのは、早くても9月1日以降となる。
現在、タイの夜の繁華街は、店の広さ当たりの出勤嬢人数を限定するなど制限付きではあるが、営業を再開している。
タニヤ通りでも、居酒屋やレストランなど通常の店に加えて、カラオケ店がオープンしている。しかし、メインの客層である日本人観光客は、基本的に入ってこれない状態なので、通りに人は少ない。

この状態が、さらに最低でも1か月間続くということになると、タニヤで働くホステスやスタッフたちも生活がさらに厳しいことになる。
実際、田舎で家業を手伝ったり、屋台を始めたり、飲食店でウェイトレスとして働くというタニヤ嬢は多いようである。バンコクの貴金属店は質屋の役割も果たしているが、こうした水商売の女性らが手放したアクセサリーや貴金属・宝石類が多く出まわっているそうだ。
観光大国であるタイは観光関連の事業からの収益が大きく、観光業が復活しない限り景気回復は難しい。厳しい情勢は、まだ続くようである。