
世界的にも感染者拡大が収まらない新型コロナウィルス(COVID-19)だが、タイの最新の規制状況はどうなのだろうか。タイの観光はこれからどうなる見通しなのだろうか。最新の情報と現地の様子をまとめてみる。
タイのコロナ非常事態宣言、延長へ
タイでは2020年8月31日までとなっていた非常事態宣言を、また延長して2020年9月30日までとすることを、CCSA(タイ・COVID-19状況管理センター)が21日に発表した。正式な決定は閣議承認を経てからになるが、ほぼ確定である。
2020年3月26日の非常事態宣言発令以来、これで6か月・半年間以上、非常事態が続くこととなる。

とはいっても、当初はあった夜間外出の制限や、飲食店、デパートやマッサージ店などの営業制限も段階的に緩和されてきて、7月にゴーゴーバーやカラオケなどのナイトスポットの娯楽店などの営業が解禁されてからは、すべての業種の営業が再開されている。
海外からの帰国者を除けば、国内新規感染者が0の状態が続いていることもあり、国内的にはほぼ通常通りの状況に戻っている。
外国からの観光客の解禁を待つ繁華街
現在、タイへの海外からの旅客便の乗り入れの制限は続いており、現在は、一定の条件を満たした外国人が一日500人まで入国ができるという制限がかけられている。しかし条件はビジネスの許可を持つ人や、政府関連の仕事の人、タイ人の家族がいる人などに限定されており通常の観光客のタイ入国は不可能である。
観光立国であるタイの経済にとっての影響は甚大だ。
外国人観光客がほぼゼロなので、観光地の土産物屋や施設は開いている店は多くなく、人通りも少ない。

タニヤエリアではタニヤ通りのカラオケ店やパッポン通りのゴーゴーバーは開いている店もあるが、観光客が歩いていないので、閑散としている。ナナプラザやソイカウボーイのゴーゴー街も同様である。
10月1日から一部で観光客受け入れを検討
こうしたなか、タイ観光・スポーツ省は、2020年10月1日からの一部外国人旅行者の受け入れを提案。タイ観光・スポーツ省、外務省、保健省、運輸省、内務省の5省が8月27日(木)に協議を行うことになった。
これについてはプラユット首相は原則合意しているとのことなので、実現する可能性が高い。
その気になる内容は、 以下のとおり。
・10月1日からプーケットに外国人旅行者を受け入れる。
・観光客は14日間ホテルで検疫を行った後にプーケット内を自由に旅行できる。
・プーケットでの14日間の検疫中も、限られたエリアのビーチであれば利用可能。
・14日間プーケットで過ごした後に県外に行くことを希望する場合は、さらに7日間の検疫を経て可能。
もしこのとおりになるなら、最低でも14日間以上は旅行の予定をとらないといけないということになる。また、14日間+7日間プーケットで過ごしてコロナの陽性反応がでなければ、県外に出てよいということはつまり、21日間以上のスケジュールを組めるならタイ本土の観光も可能ということだ。

21日以上の休暇をとれる人というのは、仕事をしている現役世代の人だとなかなかいないと思うのであまり現実的ではないが、たとえば時間だけはあるというバックパッカーや、年金生活者などであれば、タイへの入国が可能になると思われる。
限定的だが、観光客の受け入れをタイ政府が検討しているということは、観光業界にとっては希望の光が見えてきたといったところだ。“プーケット経由”の夜遊び観光客が、タニヤを訪れることができるようになる日も遠くないかもしれない。