世界中を驚かせているコロナウィルス。日本でも感染が広がっていて恐ろしいが、タイへの観光旅行は大丈夫なのか?と心配する声もあると思う。そこで、現地タニヤのリアルな状況をリポートする。
タイも日本と同じように中国からの観光客が多い国である。
タイを訪れた中国人観光客の数は1035万人で世界第1位。(2018年調査)。同じ年の日本は838万人(世界第2位)であった。
しかし、新型コロナウィルスの感染者数はタイが47名、日本は348名、と逆転で大差がついているしかもタイ人感染者の中には、タイ国内ではなく日本旅行中に感染したという人たちも含まれている。
韓国は6284名、シンガポールは117名、香港は104名、マレーシアは50名(すべて2020年3月14日現在)という状況なので日本を含めた東アジア全体に注意が必要だが、そのなかでタイは落ち着いている方ということはいえる。
現在のタイの様子は、どこも中国人観光客の姿が激減している。これまで中国人が多かった観光地からは中国人の姿が消えている。
タイは感染が疑われる香港発のクルーズ船の入港を認めなかったが、水際で防ぐ方向に進んでいるのかもしれない。
タニヤの状況
タニヤは昼はオフィス街でもあるので、多くのビジネスパーソンが歩いている。
BTSの駅でも路上でもマスクをしている人が結構いて、意識の高さがうかがえる。オフィスや飲食店の入り口には、アルコール消毒スプレーが置いてあるところもある。
夜になるとカラオケ店の看板に明かりがともり、日本人観光客が通りを歩き始める。マスクをしている人はあまり見かけない。
日本人観光客に聞いてみた。「コロナは気にならないですか?」
「こわいですけど、ここは日本人しか来ないから大丈夫かなと…」(40代男性)
「日本にいる方がうつりそうだから思い切って遊びに来ちゃいました。」(50代男性)
「タイも船を入港させなかったんでしょう? 用心のために今回は観光地は行かないつもりですけどね」(40代男性)
タニヤが安心な理由とは
タニヤでは安心感がある理由については次のことが言える。
1、タニヤには中国人がいない。
タニヤエリアは昔から日本人街ということで、中国人観光客が来るような店がない。カラオケ以外の飲食店も日本居酒屋などが中心なので、バンコクの他のエリアと違って中国人がそもそもいない街である。飲食店などで中国人と同じ建物内で食事をすることはないので感染リスクは減るということが言える。

2、バンコクの夜遊びはエリアが住み分けられている。
世界三大性地ともいわれるタイだが、外国人向けの繁華街や店はきれいに分かれている特徴がある。たとえば、日本人街のタニヤをはじめとして、欧米人客の多いゴーゴーバーが並ぶパッポン通り、中国人やシンガポール人が遊ぶKTVやラウンジが多いナナエリア、など来客の出身国ごとに街や店が住み分けられている。
以上のことから、手洗いうがいの徹底や、なるべく人混みに行かないことは大事だが、タニヤについてはコロナウィルス感染の危険性は低いと考える人が多いようである。