
タイに長期滞在している日本人としては、もし新型コロナウィルスCOVID-19に感染してしまったらと不安な方も多いことだろう。
タニヤエリア周辺では多くの日系企業や周辺産業に関係する、駐在員や家族、現地採用労働者、そして長期滞在の観光客やリタイアした日本人が多いが、共通の不安だと思われる。
タイで外国人でも入れる新型コロナウィルスを対象とした疾病保険があるというので加入してみた。加入方法と条件などの情報をまとめてみたので参考にして頂きたい。
まず最初に、タイでかかる治療費、についてまとめた。
タイで新型コロナウィルスの治療費はいくらかかるのか
タイ滞在中に新型コロナウィルスに感染し発症したら、当然だが国外へ出ることは不可能なので、タイの病院で治療を受けることになる。
外国人が診療を受けられるタイの病院はどこなのか、そして、「盲腸の手術で200万円」とよく言われるように、高額なタイの私立病院で新型コロナの場合の治療費はいくらくらいになるのか不安、という基本的な疑問についての情報をお伝えしたい。
診察と入院の流れ
タイ滞在中に、37.5度以上の発熱と同時に呼吸器症状(せき、鼻水、のどの痛み、息切れ、息苦しさなど)がある場合は、まず病院へ問い合わせ、指示に従う。病院によるが、一般外来ではなく救急外来の陰圧室(空気感染隔離室)などで診察するからである。
診察の結果、新型コロナウィルスの感染の可能性が否定できない場合は、タイ政府が指定する施設(国立感染症研究所)へ検体輸送もしくは搬送される。
外国人でも、国立病院、私立病院問わずどこの病院でも診察を受けることはできる。
タニヤ・パッポンなどのあるシーロムエリアから近い病院は、クリスチャン病院(私立・英語可)、チュラロンコン大学附属病院(国立・英語可)、BNH病院(私立・英語と日本語可)がある。
ただし、日本語や英語の通じる病院のベッドが足りない場合などは別の病院に転送されることになる。
(政府指示や感染者の増大で変わる可能性あり)
治療費用はいくらくらいか
タイで新型コロナウィルスに感染し入院した場合の治療費はいくらくらいなのか。
バンコク・サミティヴェート病院の南宏尚医師は次のように述べている。
「想定される医療費は、例えば、特に重症ではなく、隔離室で 7-10 日間の入院となった場合、50-80 万円前後、もし、呼吸器が付いて ICU で治療ということになりますと 1000 万円前後になる可能性があります。」
(2020年4月3日現在・サミティヴェート病院「みなみ先生の新型コロナよろず相談」質問・回答集より)
重症でない場合は50~80万円(約15万バーツ~24万バーツ)、呼吸器つきICUだと1000万円(約300万バーツ)、これは、すさまじく高額である。
タイ政府が現在、外国人に入国許可をする条件のひとつとして「10万ドル(約1080万円)の保険に入っていること」をあげているが、つまりこれだけ治療費用がかかることが理由なのである。
日本の保険~使えるのか?海外からは入れない?
新型コロナウィルス感染症に対応する日本の保険には、これから入れるのであろうか。
日本の保険についての基本情報は以下のとおりである。
日本で感染症対応の保険に加入している場合
あなたが今、日本で感染症に対応する保険に加入している場合は、保険会社各社は、新型コロナウィルス感染症も対応するというところが多いので、確認して頂きたい。対応が可能な保険に加入している場合は、タイの病院で治療を受けることになっても基本的には入院費などが補償の対象となるようである。詳細はご自分の加入している保険会社へ問い合わせていただきたい。
日本の保険に入っていない場合
日本の感染症対応の保険には入っていない場合、海外旅行保険などには入っているがケガ用で感染症は対応していない場合などは、今からコロナも補償対象とした保険に入るしかない。
しかし、大半の日本の保険は、保険を契約する際は日本に在住していることが条件になる。現在タイにいる場合は、一旦日本に帰国して保険に加入してからタイに再入国するという手順を踏む必要がある。
もしくは、タイで外国人も加入できる保険に入るしかない。
タイで外国人も入れるコロナ保険
では、タイで新型コロナウィルス感染症に対応する保険で外国人も入れる保険の商品と、手続き方法について解説したい。
外国人も入れるコロナ保険の費用と保障内容
タイで新型コロナウィルス感染症に対応する保険で、日本人でも入れる保険がある。
いくつかあるらしいのだが、二つご紹介する。
DHIPAYA INSURANCE という保険会社の商品
https://www.tipinsure.com/Ph/step_1
【年間150バーツのプラン】
治療費 1万バーツ・ICU利用の場合 10万バーツまで保障
【年間250バーツのプラン】
治療費 5万バーツ・ICU利用の場合 10万バーツまで保障
【年間450バーツのプラン】
治療費 5万バーツ・ICU利用の場合 50万バーツまで保障
【年間850バーツのプラン】
治療費 10万バーツ・ICU利用の場合 100万バーツまで保障
【加入条件】
外国人の場合、ワークパーミットを所持しているか、6ヶ月以上タイに居住していること。
現在、新型コロナウィルス感染症に感染していないこと。
※加入した日から14日後から保険が適用される。
SCB(サイアム商業銀行)が窓口になっているコロナ保険商品
(Deves Insurance社の商品)
https://www.scb.co.th/th/personal-banking/insurance/covid19/dhipaya.html
【年間150バーツのプラン】
治療費 1万バーツ・ICU利用の場合 10万バーツまで保障
【年間250バーツのプラン】
治療費 5万バーツ・ICU利用の場合 10万バーツまで保障
【年間450バーツのプラン】
治療費 5万バーツ・ICU利用の場合 50万バーツまで保障
【年間850バーツのプラン】
治療費 10万バーツ・ICU利用の場合 100万バーツまで保障
【加入条件】
外国人の場合、ワークパーミットを所持しているか、6ヶ月以上タイに居住していること。
現在、新型コロナウィルス感染症に感染していないこと。
※加入した日から14日後から保険が適用される。
実際に保険に入る方法
実際に保険に加入してみたので、加入方法をご紹介する。
必要なものは、クレジットカード(オンライン決済の場合)とパスポートだけである。保険会社に出向く必要はなく、ウェブ上でできる。
上記のDHIPAYA INSURANCE という保険会社と契約することにした。
しかし、DHIPAYA INSURANCEとSCB銀行の両方とも、サイトがタイ語でわかりにくく、しかも電話での問い合わせが必要のようであり、タイ語ができない場合、難しい。
そこで、Frank Insurance Broker (Thailand) Co. Ltdという保険代理店を使うことにした。
ここは申込フォームが英語になっており、電話での会話も不要なのでわかりやすい。
1、Frank Insurance Broker社のサイトへアクセス。
2、「Corona Virus Insurance」(コロナ保険)と書いているボタンをクリック。
3、保険プランを選択
年間450バーツプランか850バーツプランのどちらかを選ぶ。
4、フォームに入力する
E-mail → メールアドレス(証書が送られてくるので間違わないように!)
Mobile number → 携帯番号
Address Line1 → LINEのパスワード。一つだけでよい。
Postcode → タイの住所の郵便番号
Province → 住所の県(矢印で選択肢が出る、バンコクの場合バンコク。)
District → 区・地方 (矢印で選択肢が出る)
Sub District → エリア詳細(選択肢が出る)
ここまで記入したら黄色の[Save& Continue]ボタンを押して保存。
続けて個人情報の入力へ。
性別を選択(MRかMRSやMSなど選択肢あり)
First name 名前
Last name 苗字
Date of Birth 生年月日 DDに日、MMに月、YYYYに西暦を入れる
青いボタンで「Foreigner」(外国人)を選択。
パスポートナンバー入力。
Nomination (保険金の受取指定相手)
Legal heir of the insured person(被保険者の法的相続人)か
Specify my own(自分で指定) を選択。
「自分で指定」を選んだ場合
Beneficiary name (受取人名)
Mobile number (受取人の電話番号)
Relationship to the insured(受取人の関係)選択肢から選ぶ
Have you been in the list of affected countries of COVID-19 announced by Ministry of Public Health (Thailand) in the past 7 days?
過去7日間にタイの保健省が発表したCOVID-19の感染国リストに含まれた国にいましたか?
→ NOを選択。
以上の内容に虚偽ない場合はチェックを入れて黄色のボタンを押す。
あとはクレジットカード情報を入れて支払。
すると受理されたら、保険番号が表示される。
また、保険証書がPDFファイルでメールで送られてくる。
これで終了である。
(保険内容や条件など詳細は必ずご自分で当該保険会社の規約を熟読し確認ください。当サイトは保険内容や手続きについて一切責任は負いかねます。)

あとは、保険が適用開始になる14日後まで、感染しないように注意して過ごすだけだ。
実際感染したら、保険金が降りるためにはどのような手続きが必要なのか、どのタイミングで支払われるか、細かい条件は他にもあるのか、ということはよくわからないが、保険証書は入手できたので、いざとなったら病院の人に見せて聞いてみるつもりである。
タニヤパッポンエリアでは企業やデパート、カラオケなどの娯楽施設の多くが休業しているため、外を歩く人も少なく、情報が手に入りにくいが、インターネット上だけで加入できる保険は非常に入りやすい。
今回850バーツのプランに入ったが、たったの2800円ほどで本当に30万円まで治療費が保障されるなら安いものだ。お守り替わりに入ってみてはいかがだろう。