
タニヤ通りのランドマークである「タニヤプラザ」。2020年4月から大規模改装工事が開始する。「タニヤプラザ」の歴史と、改装工事後の完成予想図に至るまで、「タニヤプラザ」改装工事情報をまとめた。
タニヤプラザの歴史と概要
「タニヤプラザ」は2つの棟で成り立っている。タニヤ通りから見て左側がBTSサラデーン駅に直結する「タニヤプラザWING館」、右側が「タニヤプラザ」である。
それぞれのデータは以下の通りである。
【タニヤプラザWing館】(BTS側)
竣工1970年・改装1990年 11階建て
【タニヤプラザ】(スラウォン通り側)
竣工1990年 29階建て
1970年、当時は運河と原っぱしかなかったシーロム・タニヤエリアに、住友不動産のタイでの合弁会社が手掛けた「タニヤビルディング」が竣工。
商社などの日系企業が入るオフィスビルとして開業した。この「タニヤビルディング」にテナントとして入った日系企業を訪れる日本人駐在員や出張客を対象として、眼下のタニヤ通りが、カラオケやバーなどの飲み屋がならぶ世界有数の日本人向けナイトクラブ街として発達していく。

1990年、右隣に29階建ての「タニヤプラザ」を建設。「タニヤビルディング」は低層階部分を飲食店などが入る現在の形に改装し、名称を「タニヤプラザwing館」へと改称。
1999年にはBTS(スカイトレイン)サラデーン駅が開業し、「タニヤプラザWing館」と3F部分で空中通路によって直結することになった。ショッピングフロアには日本語が通じる店員がいるゴルフ用品店や喫茶店、土産物店などが並んで、日本人観光客が数多く訪れる人気観光スポットとなった。
2020年大規模改装計画の内容
2020年の大規模改装計画は以下の通りである。
「タニヤの未来」をテーマとして、ビジネスとライフスタイル、地元タイ人と外国人観光客、そして最先端の近代性と環境、これら双方のニーズに応えられる総合施設を目指す。
「タニヤプラザ」をA棟、「タニヤプラザWing館」をB棟とし、この両棟を1F部分で完全につなげる。
A棟とB棟は3Fと4F部分でも空中回廊で接続され、1Fから4Fまでのタニヤ通りに面する部分はガラス張りの外観にしてフロア全体が大型ショッピングモールとなる。
総工費は10億バーツ(約36億3,000万円)、2020年4月に工事着工し2021年の前半での完成を目指す。2020年の12月まではA棟(現在の「タニヤプラザ」(スラウォン側))の改装工事に集中し、第二期工事でB棟(現在の「タニヤプラザWing館」(BTS駅側))を改装する計画である。

建物内部の詳細計画
二つの建物が1F部分でつながる
A棟(スラウォン側)とB棟(BTSサラデーン駅側)1F~4Fはつながる。
1F~4Fの内部は次のような計画である。
1F~2Fはゴルフ用品店ゾーン。これまでもあったゴルフクラブやウェアなどのゴルフを中心としたスポーツ用品店が並ぶフロアになる。現在、ミズノやブリヂストンゴルフ、キャロウェイゴルフ、CLUB PING、タイトリスト、アディダスなどの有名ブランドショップが参入予定とのこと。
3Fはライフショップゾーン。美容室や理髪店、美容クリニック、歯科医院、書店などがおかれる。
4Fはフードゾーン。日系・タイ地場系問わず有名レストランやカフェが開業予定。
BTSサラデーン駅との接続部分はバルコニーに
B棟は現在同様、2Fと3F部分でBTSサラデーン駅と空中通路で接続される。それぞれの接続部分は、外壁をなくして、タニヤ通りとシーロム通りの様子を建物からダイレクトに一望でき、風通しの良いバルコニーのような設計になっている。
外の部分の工事計画
タニヤ通りが石畳に!

2020年大規模改装工事は、建物だけではなく建物前の通りとエントランス部分にも及ぶ。
タニヤエリアは「タニヤプラザ」の私有地である。実はタニヤ通りは「タニヤプラザ」が所有権をもつ私道なのだ。このため、タニヤ通りへの工事も今回の大規模改装の一環として行われることになる。
タニヤ通りはヨーロッパ風の石畳となる計画だ。現在のタニヤ通りに出店しているコンテナ店舗の部分を廃止して「タニヤプラザ」の正面部分に歩道を作り、車道との間に街路樹や花壇を設置してグリーンロードを設ける。
歩道から、新装「タニヤプラザ」中央に設けられたエントランス部分までは緩やかなスロープでアクセスができるバリアフリーになる設計である。エントランス部分は2F部分までが吹き抜けになり、タニヤ通りから中が見える開放的な作りになる。
週末などにはグリーンロードエリアで屋外イベントなども行えるようにする。
シーロム通りからタニヤ通り中央まで雨にぬれず移動可能に
1F部分にはタニヤ通りに面して店舗が入るスペースが作られるが、1F部分だけ建物の奥に店舗を設置。このため、2F以上の部分が屋根となった部分を歩けるので、雨天時も建物の周囲を歩いて、シーロム通り側から現在の「タニヤプラザ」地下駐車場の出入口付近まで通り抜けられるようになる。

B棟のシーロム通り側、現在の「タニヤプラザWing館」のセブンイレブンなどが入っている部分もエントランス部分を大きく拡大し、シーロム通りからも新装「タニヤプラザ」やその誘導歩道にアクセスがしやすいようになる。
以上が、「タニヤプラザ」の大規模改装工事の計画の全容である。
1990年の改装以来30年ぶりの大規模改装となり、タニヤ通りの改装も行われるということで、完成後には文字通り「タニヤの未来」となる新しい時代がやってくることになるだろう。
工事の進展状況や、新しい発表があり次第、タニヤ観光協会でも発表していきたい。
↓2021年、一部完成した最新の様子について