
数年にわたるコロナの規制の間に、バンコクの街は色々なところが様変わりしている。タニヤ通りも、タニヤプラザの改装や、新たにオープンした店で、コロナ以前とは様子が変わっている。そうしたなか、新しくできた「アーバンタイマッサージ」はどういう店なのか、そしてコロナのなかタイマッサージはどのようにして行われるのかについて、様子をお伝えする。
タニヤ通りにできた「アーバンマッサージ」
以前はタニヤ通りにはマッサージ店は1軒だけ「T-Massage」があるだけだった。この店は立地が良すぎるため腕が悪く、高額チップをねだってくる不良マッサージ師の巣窟で大変評判が悪かったのだが、新たにタニヤ通りにできたのがUrban Thai massage and spa「アーバンマッサージ」である。以前はスラウオン通りのモンティエンホテルやバーガーキングの向かい当たりにあった店が移転してきた。
新しい場所はスラウオン通り側からタニヤ通りに入ってすぐの角の場所で、以前は居酒屋「酒の店」があった場所である。「酒の店」はこの「アーバンマッサージ」の裏側、ジムトンプソン本店側に入口を変えて営業を続けている。
スタンダードなタイマッサージは1時間299バーツ・1時間半395バーツ・2時間490バーツ。そのほかはオイルマッサージ1時間499バーツ・1時間半725バーツ・2時間960バーツ、ボディスクラブ1時間699バーツ・1時間半995バーツ、ホットストーンマッサージ1時間999バーツ・1時間半1459バーツ・2時間1900バーツ、などである。若干、周囲のマッサージ店の相場より高めになっている。
入口で、希望マッサージを伝えるとその場で支払い。今回はスタンダードのタイマッサージを1時間半でオーダーしてみた。
エントランスは吹き抜けになっていて、開放的な天井からタイ式のシャンデリアがぶら下がり、らせん階段があって高級な雰囲気である。
三十代後半くらいの女性マッサージ師に促されて奥へ行くと、ちゃんと足シャワーがあって、そこで足を洗ってもらえる。スラウオン通りやシーロム通り沿いのマッサージ店には、足シャワーのない店が多いので、これはうれしい。
腕の良いマッサージ
階段を昇って上階へ。マッサージルームも内装はきれいで、タイ風の良い雰囲気である。
マッサージ用の服に着替えると施術が始まった。
仰向け状態で足先のマッサージから開始。マッサージ師もこちらもマスクをしたままの施術である。客はともかく体を動かすマッサージ師がずっとマスクをつけたまま行うのは大変そうだ。マッサージ師は片言の日本語ができたので聞いてみると、マスクはとってはいけないそうで、やはり息苦しいという。
じっくり押圧して刺激してから体の老廃物を流すようにリンパの流れに沿って伸ばしていったり、こちらの足を両肘で挟むようにして圧力をかけたり、とかなりマッサージの腕が良いと感じた。力加減も弱くなく少し痛いくらいのしっかりとしたものである。
急にエロマッサージの誘いが!
脚の施術が終わったところで、股間を指さしてマッサージ師が小さな声で、「ここのマッサージ、イイデスカ?」と突然言い出した。なんちゃってマッサージの店ではお決まりのパターンだが、それまでの施術がとてもしっかりして上手だったので驚いてしまった。
「タイ人のお客さん、みんなこれやるよ」と言う。
まったくそういった気持はないのでがっかりしたが、しつこく迫ってくる。
そして「あなた値段イッテクダサイ。」とこちらの希望を聞いてくる。ためしに「300」というと「メダーイ(ダメ)、本当は1000バーツです」と言う。だったら希望を聞くなよ、と思うが、興味ないので「いらない」というと、「玉マッサージはドウデスカ?」と言ってきた。タイの睾丸マッサージは、本来は疲労回復・回春効果のある伝統的マッサージなので興味が出てきた。聞くと「700バーツ」だと言うので、これまでの腕が良かったので試してみることにした。
マッサージ師にお金を渡すと「待テクダサイ」と言って席をはずし、オイルを持ってきた。そしてそのオイルを玉袋に塗って睾丸マッサージが開始された。
足の付け根をじっくり圧迫してから徐々に力を抜いて血流を集め、袋の部分を上からさすったり、手のひらで袋の根元からオイルの滑りを使って上まで圧迫していったりと、痛くはないが不思議な感覚だった。睾丸自体をつかんでこねくり回す、といったハードな施術は行わなかった。おざなりではなく15分ほどかけてしっかり施術してもらった。さいごにヌキを勧めてきたが断った。
しばらくすると、「ハイ、普通のマッサージにもどります」と言って、うつぶせにされ、背中や腰、肩の指圧が始まった。相変わらず、ちゃんとした力で押してくれ、腰や肩の時は痛気持ちいよい感覚であった。
さいごは、起き上がり座った状態で、両手を頭の後ろで組まされた状態で体を左右にねじって背骨が音を立てる、というタイマッサージ定番の施術をしたり、頭皮マッサージが行われた。
施術後の感想としては、腰のだるさが抜けたような感覚で、翌日は少し肩などが痛かったが、嫌な痛さではなく体が軽くなったような印象である。その晩はしっかり寝られて翌朝の目覚めもすっきりしているような気がする。
エロマッサージのお誘いは、このマッサージ師の口ぶりだと、他の施術者も普通にしているだけではなく、店ぐるみでやっているような感じがする。でもそうかといって、マッサージの腕はしっかりしたものなので、コロナでカラオケ店の多くが閉まったままのタニヤで日本からの観光客が少ない状況下で、本来はちゃんとしたマッサージ師が小遣い稼ぎをしているのかもしれない。
Urban Thai massage and spaアーバンタイマッサージ