
タイ政府が2020年3月26日にコロナ非常事態宣言を出してから第2週目に入った。
外出禁止が指示されているが、バンコクの都心、日本人街タニヤ通りとパッポン通りの様子について状況をお伝えする。また、少しずつ日常生活が戻りつつある兆しがあるので、そちらについてレポートしたい。
はじめに、3月31日のバンコクシーロム・タニヤエリアの街の様子をお伝えする。
3月31 日(火)現在のタニヤパッポンで営業している施設
日本人街のシーロム・タニヤ通りやパッポン通りで30日現在、営業が確認できた施設・店舗は以下の通りである。
<飲食店>(テイクアウトのみ)
大阪王将、エビスダイニング(居酒屋)、すき家、金沢ゴールドカレー、牛野家(牛丼)、内田家(ラーメン)、らあめん亭、多久味(居酒屋)、桃太郎飯店(中華料理)、酒の店(居酒屋)、吉龍糖(台湾タピオカ屋)、all mango(ジュース店)、Doi Luang(ジュース店)
<小売店など>
セブンイレブン、ファミリーマート、パープル薬局、good薬局(ラーメン内田家の隣)、タニヤスピリット(酒屋・両替商)

パッポン通りの方で開いていた店舗は以下の通りである。
<小売店など>
セブンイレブン(パッポン通り内)、フードランド(スーパーマーケット)、TIP-TOP(タイ料理レストラン)
スラウォン通りで開いていた店舗
パッポン通りと交わるスラウォン通りについては、営業が確認できたのは以下の店舗。
<飲食店>(テイクアウトのみ)
しゃかりき432(居酒屋)、炭火焼肉432、スターバックス、バーガーキング
<小売店など>
セブンイレブン、ファミリーマート
すべてテイクアウト限定での営業である。
先週半ばからの外出禁止指示であるが、昨日に引き続き、これまで様子を見ていた小さい商店や屋台が店を開き始めている。
タニヤ通りでは、テイクアウトや配達限定で営業をしている飲食店だけではなく、日用品や雑貨を扱う店やなども店を開け始めていた。
タニヤプラザ改装工事の動き
タイ政府の新型コロナウィルスの感染拡大防止のための非常事態宣言が出てから、企業や商業施設が休みになったりしているが、一部で市民生活や経済活動が復活しつつある。
タニヤ通りで目に付いた、活発な活動について注目してみたい。
歩いている人がまばらな日中のタニヤ通り。そのなかでなぜか大勢の人が集まっている場所がある。タニヤプラザの前である。大型トラックが何台か入ってきて停車し、タニヤプラザからいろいろなものを運び出している。
運び出されているのは、オフィス家具や巨大な観葉植物などである。それだけではなく、どこかのフロアの内装を解体し壊した後の廃材なども運び出されてくる。
バンコクのオフィス街であるシーロムのタニヤ通りが現在のような日本人街となったきっかけは、このタニヤプラザが1970年にできたことにある。大型オフィスビルとしてタニヤプラザが開業し、商社など多くの日系企業が入居した結果、接待などに使うナイトクラブが近隣にでき始めたのがタニヤ通りのはじまりだからだ。
そのタニヤプラザは、2020年4月から大規模改装工事が予定されている。
2020年の1月から3月にかけて、改装工事の準備のために転居する店舗や企業が、タニヤプラザから引っ越しを開始していた。
途中、3月26日のタイ政府による新型コロナウィルス問題への非常事態宣言があったが、様々な施設が休業して観光客の姿が消えている今のうちに、当初の予定通り、改装工事を進めようとしているのであろう。
この時期に改装工事を行っているのは、タニヤプラザだけではない。
タニヤ通りと路地のソイ・ヤダが交わる角にあるビル。かつて1Fに移転前の「世界の山ちゃん」が入っていた建物である。表通りに面した1Fの一部分に台湾タピオカの「吉龍糖」が3月に入ったばかりだが、その背後のフロアには、タニヤプラザから移転してきたゴルフ用品店が入る予定で、現在も工事が進められている。
また、タニヤ通り中ほどの、旧「築地寿司」の店舗も売却されて、現在、新しい飲食店をオープンするための改装工事が行われている。30日も、旧「築地寿司」の改装工事現場はベニヤ板の保護版で囲まれていて、時々中から廃材を運び出す工事業者が出てきているのが見えた。現在も解体工事が行われているようだ。
タニヤ通りだけではない。
こちらは、パッポン2通りにあるバービア。店内の簡単な改装工事だろうか、日中にシャッターを開けて工事業者が作業を行っていた。
新型コロナウィルスでの非常事態宣言での規制がタイの観光業・ナイトスポット産業へ与える経済的な打撃は深刻なものである。しかし、規制が終了したあとに営業を再開した際に、すぐに外国人観光客が大挙して戻ってくる可能性は高くはない。それぞれの国の状況もあるだろうし、どうしても最初のうちは様子をみようという人が多くなるだろうからだ。
そうなると再開直後の数か月間は、各サービス業店舗は少ない観光客を獲得する激しい競争を強いられる。そうしたときに以前より少しでも魅力的だったり目新しい店舗にイメージチェンジをしていれば、少しでも競争の中から頭ひとつ抜け出す可能性はある。
そうしたことへの投資・準備の期間としてこの時期を活用している動きが水面下で続いているということは、たくましさを感じるし、「非常事態宣言解禁後」の状況を占ううえで大いに参考になることだろう。
また、タニヤやパッポンを将来訪れる予定の日本からの観光客にとっては、楽しめる場所がさらに充実することには期待できることである。