
タイ政府が2020年3月26日にコロナ非常事態宣言を出してから3日目を迎えた。日本人街タニヤ通りとパッポン通りの様子はどうであろうか。また、市民生活に必要な物資は足りているのか、買い占めなどの混乱はあるのか、売られている商品は値上がりはしているのか、について現地の状況をお伝えする。
まず、3月28日の街の様子をお伝えしたい。タイ政府の非常事態宣言に伴う外出禁止指示から3日間が経過した。3月28日は初めて迎えた週末土曜日である。街の様子は以下のとおりである。
3月28日現在のタニヤパッポンで営業している施設
日本人街のバンコクシーロム・タニヤ通りや東南アジア有数の夜の歓楽街パッポン通りは、引き続きカラオケ店やゴーゴーバーなどの娯楽施設は全店が閉まっているため、静かな週末を迎えている。
3月28日現在、タニヤ通りで営業が確認できた施設・店舗は以下の通りである。
<飲食店>(テイクアウトのみ)
リンガーハット、大阪王将、すき家、金沢ゴールドカレー、世界の山ちゃん、内田家(ラーメン)、らあめん亭、桃太郎飯店(中華料理)、酒の店(居酒屋)、吉龍糖(台湾タピオカ屋)
<小売店など>
セブンイレブン、ファミリーマート、パープル薬局、good薬局(ラーメン内田家の隣)、タニヤ金屋の両替所
パッポン通りの方で開いていた店舗は以下の通りである。
<小売店など>
セブンイレブン(パッポン通り内)パッポンソイ2の土産物屋、フードランド(スーパーマーケット)
スラウォン通りで開いていた店舗
パッポン通りと交わるスラウォン通りについては、営業が確認できたのは以下の店舗。
<飲食店>(テイクアウトのみ)
しゃかりき432(居酒屋)、炭火焼肉432、南亭(居酒屋)、スターバックス、バーガーキング
<小売店など>
セブンイレブン、ファミリーマート
もちろんすべてテイクアウトでの営業である。
日中は本日が土曜日だということもあり、昨日までよりは車の数が少なく感じられた。スラウォン通りでは焼き鳥やソーセージなどを売る屋台が出ていたが、店員が、街をパトロールをして歩いている警官をつかまえて世間話をしているなどの様子がみられ、特に緊張感は感じられない雰囲気である。
スーパーマーケットの品揃えの様子
それでは、生活必要物資などの不足状況はどうであるのか。
シーロム・パッポン通り2にあるスーパーマーケット「フードランド」へ行き品揃えを調査してみた。
フードランドは、通常通り営業していた。店内併設の薬局も開いており、付属レストランもテイクアウト限定で営業を続けている。
店内に入って、まず飲み物の陳列棚を確認。
ミネラルウォーターはこのとおり、いつもどおり品数はそろっている。たとえばシンハー(ビールの有名メーカー)製のミネラルウォーター1.5リットルボトル×6本セットが60バーツと、価格も普段と変化はない。
その他、コーラやお茶、フルーツジュースなどの飲料も、以前と品揃えと価格は変わっていなかった。
続いて、カップラーメンや即席めんのコーナーへ行ってみた。こちらは若干、棚に空きスペースができていて、普段より多く売れていることが分かる。
しかし、まったく商品がなくなっているというわけではなく、一時的に買う人が多くなったためということが予想できる。
トイレットペーパーやティッシュペーパーの棚をのぞいてみた。
日本などでは買い占めが起きていて品薄になっているという情報があるが、タイでは今のところ、このように通常通りティッシュ類はとくに不足なく売られている。
価格の方は、たとえばクリネックスのティッシュ3箱セットで119バーツ、Zilkのトイレットペーパー24ロールセットが164バーツであり、通常通りの値段で売られていた。
バンコク市民の間では、買い占めなどの混乱がない
米や乾麺、魚やホイールトマトなどの缶詰製品、冷凍食品など、日本でかつて東日本大震災直後などの非常災害時に、スーパーマーケットなどから姿を消した商品を確認したが、どの棚も欠品はなく、価格も暴騰していることもなく、ほぼ普段通りであった。
また、生鮮食品のコーナーにおいても、棚には肉や魚、海老などが並んでいた。物流関係もストップしていないということがこれでわかった。
これは、同スーパー近くにあるスラウォン通りやシーロム通りのセブンイレブンやファミリーマートマートなどのコンビニエンスストアでも同様で、特定の品物が足りなくなっていたり販売制限がかかっているということは特に見当たらなかった。
タイ政府の政策で、マスクや消毒液だけでなく生活必需品などの過度な買い占めや適正価格以上での転売は、罰金刑となるという厳しい措置がとられていることもあり、現在のところタイ国内では、大がかりな買い占めなどの混乱はおきておらず、物資不足も始まってはいないということがいえるだろう。
現在のところ、タイの人々は冷静に外出禁止令下での生活を営んでいるようである。
以上が、3月28日のタイ・タニヤとパッポン近辺の様子と、物資の販売状況についての現地レポートである。明日以降も現地の情報をお届けしていく。