
世界中で政治家や芸能人などにも感染者が広がっているという報道ニュースが出ている新型コロナウィルス。感染拡大対策として、世界中の都市で外出禁止令などの制限が出ているが、タイでも2020年3月26日に非常事態宣言が発令され、4月30日までの最低限の必要な場合を除いた外出禁止や外国人の入国受付停止などが指示された。
これをふまえた、バンコクのタニヤとパッポンを中心に、3月26日と3月27日の規制実施後の初日と二日目の現地の様子についてお伝えする。
非常事態宣言が出た後のタニヤ通りとパッポン通りの様子
非常事態宣言が出たあとのバンコク・シーロムのタニヤ通り。(2020年3月27日午後)
もともと、タニヤ通り名物のカラオケ店やバーは、3月18日の時点で営業停止が指示されていたためすでに休業してから時間が経っている状態であったが、日本料理などの飲食店は持ち帰り限定で営業が行われてきていた。
3月26日からの非常事態宣言で、それも停止になると言われていたが、実際の様子はどうであるのか。
なんと、持ち帰り限定ではあるが、日中は営業を行っている店がいくつかあった。
タニヤ通りで、持ち帰り限定で営業を続けていることが確認できた店は以下のとおりである。
リンガーハット、大阪王将、すき家、金沢ゴールドカレー、世界の山ちゃん、内田家(ラーメン)、らあめん亭、桃太郎飯店(中華料理)、酒の店(居酒屋)
これ以外では、セブンイレブン、ファミリーマート、吉龍糖(台湾タピオカ屋)、が営業を行っている。
(以上、3月27日現在。)
一方、パッポン通りの方は、
セブンイレブン、パッポンソイ2の土産物屋、フードランド(スーパーマーケット)
が営業を続けている。
もちろん、ゴーゴーバーやバービア、観光名物であるナイトマーケットはすべて休業している。
タニヤ通りとパッポン通りは、普段がとても賑やかな場所であるので、それに比べると閑散としてまるでゴーストタウンのようにみえるが、日中に関しては、人がまったくいないわけではないというのが実際の様子である。

パッポン通りと交わるスラウォン通りの様子
パッポン通りと交わるスラウォン通りについては、営業が確認できたのは以下の店舗。
しゃかりき432(居酒屋)、炭火焼肉432、スターバックス、バーガーキング、セブンイレブン
もちろんすべてテイクアウトでの営業である。
また、完全に消えるかと思われていたタイ料理の屋台であるが、タニヤ通りの路地やスラウォン通りの路上には屋台がごく若干数ではあるが出ていて、持ち帰りの惣菜弁当や、麺類、焼き鳥、唐揚げや焼きソーセージなどの販売を行っていた。
変わったところでは、路上で服を縫うミシンの店や合鍵屋、コロナウィルスの消毒用ジェルや宝くじを売る屋台も少しではあるがオープンしていた。
ただし夕方が近づくといつの間にか姿を消していたので、営業できる時間帯には厳しい制限があるようである。

バンコクの様子について
以上が、タニヤとパッポンの近辺の様子であるが、バンコクの全体についても、比較的落ち着いている状況である。
街を歩いていると少しではあるが開いている店舗が存在し、日中であれば少ないなりにも人通りがあるので、外出禁止令が出ているとは思えない。
タイでは時々ある禁酒日(仏教の儀式の日で酒類の販売が禁止される日。カラオケやゴーゴーバーなどは休みになる)の時に人が少なくなったような繁華街と雰囲気が似ている。
実際に稼働が確認できた施設・店舗は以下の通り。
薬局、病院(シーロムエリアでは、チュラロンコン大学附属病院、クリスチャン病院)、銀行(ガシコン銀行、クルンシー銀行、UOB銀行など)、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ガソリンスタンド。
このほか、役所や工場などは稼働を続けているとのこと。
人通りや交通の様子について
市民は、全員にマスク着用が義務付けられている。
このため、路上を歩く人やコンビニエンスストアの店員などではマスクをつけていない人は誰もいない。
シーロム通りなどでは人通りは普段より少ないが、まったく誰も歩いていないというわけではない。
欧米系の外国人観光客が、無人のパッポン通りを、することがなさそうにのんびりと歩いている姿を見かけることもあって、まだタイ国内に滞在を続けている外国人観光客も一定程度は存在しているようである。
交通量も、普段に比べれば多くはないが、車やトラック、バイクは途切れることもなく走っている。
タクシーも空車・賃走状態の車は両方見かけることができ、郊外はともかくバンコク中心部であれば探すのに特に不便というほど台数が少ないということはない。
運行停止という情報もあったバンコクの都バス(路線バス)も通常通り走っている模様。何人かの乗客を乗せてサイアム方向へ運行しているバス(77番の路線バス)を見かけることができた。
以上が、タイ政府による非常事態宣言が出た直後の3月26日と27日のタニヤ通りとパッポン通り、そして近辺の様子である。
日中に必要最低限の買い物に出かける人はおり、表面上は大きな混乱もしていないということがいえるだろう。また、最新情報が入ればお伝えしたい。