
タイでは3月26日に新型コロナ非常事態宣言が出て、4月2日からの22時から翌4時までの夜間外出禁止令が発令された。タニヤ通りやパッポン通りはカラオケやゴーゴーバーが並ぶ夜の繁華街だが、これらの店は3月18日より営業が停止となっている。もうすぐ営業を休止して1ヶ月が経過しようとしている。
滞在ビザは、3月26日から4月30日まで滞在期間を自動的に延長する措置がとられている。
もしその後、5月1日になっても世界のコロナ感染拡大が落ち着いていなかった場合、どうなるのであろうか。
タイと主な他国の特例措置の違いを整理して、判断の材料にしてみたい。
はじめにバンコクの都心、日本人街タニヤ通りとパッポン通りの様子について状況をお伝えする。
まず、4月13日のバンコクシーロム・タニヤエリアの街の様子は以下の通りである。

4月13日(月)現在のタニヤ・パッポンエリアで営業している主な施設
日本人街のシーロム・タニヤ通りやパッポン通りで4月13日現在、営業が確認できた施設・店舗は以下の通りである。
<飲食店>(テイクアウトのみ)
大阪王将、エビスダイニング、すき家、金沢ゴールドカレー、牛野家(牛丼)、内田家(ラーメン)、らあめん亭、生そばあずま、まとい茶屋(居酒屋)、酒の店(居酒屋)、吉龍糖(台湾タピオカ屋)
<小売店など>
セブンイレブン、ファミリーマート、パープル薬局、good薬局(ラーメン内田家の隣)、タニヤスピリット(酒屋・両替商)
パッポン通りの方で開いていた店舗は以下の通りである。
<小売店など>
セブンイレブン(パッポン通り内)、フードランド(スーパーマーケット)
スラウォン通りで開いていた店舗
パッポン通りと交わるスラウォン通りについては、営業が確認できたのは以下の店舗。
<飲食店>(テイクアウトのみ)
しゃかりき432(居酒屋)、炭火焼肉432、スターバックス、バーガーキング
<小売店など>
セブンイレブン、ファミリーマート
滞在ビザの特例措置は今後どうなるか
バンコクのタニヤ・パッポンエリアは、シーロムというオフィス街でもあるので、多くの日系企業やその従業員を対象とした日本料理店などのサービス業に従事する日本人も多いエリアである。
現在、新型コロナウィルス感染拡大対策で、タイに外国人が長期滞在するための滞在ビザは、3月26日から4月30日まで滞在期間を自動的に延長する措置がとられている。
もしその後、5月1日になっても世界のコロナ感染拡大が落ち着いていなかった場合、どうなるのであろうか。
他国の延長措置の情報をまとめ、その後どうなるかについての判断材料にしたい。
タイの滞在許可の自動延長の内容
まずタイの滞在許可延長の特例措置の内容をおさらいしたい。
2020年3月26日以降に滞在許可の期限が到来する全ての外国人について、査証の種類を問わず(査証免除により入国した者を含む)、3月26日から4月30日まで滞在期間を自動的に延長する。
また、入国管理局への90日毎の居住報告(90日レポート)も同期間(4月30日まで)、一時的に免除。(報告を行う期間を延長する)
(4月8日告示、タイ王国内務省の発表)

主な他国の延長措置の内容
滞在ビザの延長の特例措置を導入している国は他にもある。
それぞれの国の状況をまとめ、5月1日以降の状況予測の参考にしてみたい。
※内容は日本人に関係がありそうな項目のみ抜粋。2020年4月14日現在の内容。
アメリカの場合
ビザの延長申請を行う申請者は、下記条件を満たせば郵送で延長申請が可能。
・現在日本に居住・滞在。
・2011年3月1日以降、イラン、イラク、北朝鮮、スーダン、シリア、リビア、ソマリアまたはイエメンのいずれかの国に渡航していない。
・日本、アメリカ、他国で逮捕歴がない
・前回ビザに”Clearance received”または”Waiver granted”という記載無し
・既存のビザが有効、または有効期限失効から12ヶ月以内である
・就労ビザの種類の延長申請で、現在の滞在期間失効前に延長申請書類を移民局に提出すれば、延長期間中は滞在期限失効後も240日間は引き続き仕事をしながら結果を待つことができる。
イギリスの場合
・1月24日から5月31日の間に滞在許可期限が満了する場合、イミグレに電話又はメールで連絡して滞在許可期限の延長手続きが可能。
・自己隔離又は入国制限の関係で帰国が不可能な場合,5月31日までの延長が可能。
通常、英国内では申請できない滞在許可変更申請も可能となる。
台湾の場合
・3月21日までにノービザ(査証免除)、ランディングビザ(到着ビザ)、もしくは「停留」ビザ(短期滞在ビザ)で入国し、まだ滞在期限が切れていない外国人旅行者については滞在可能期限を一律で30日間自動的に延長。特別な申請は不要。
・しかし滞在日数が180日間を超えることは出来ない。この措置は今後、感染状況に応じて調整を検討。
ベトナムの場合
・ビザ免除措置(ノービザ)、または観光ビザでベトナムに入国したが、目的地・経由地の国境閉鎖や航空会社による欠便、本人がベトナムで隔離措置の対象になったことなど客観的な事由によりベトナムを出国できない外国人は、大使館または総領事館を介して同局にて在留期間延長手続きを行うことが可能。
他国の内容から考えられること
以上が、他国の特例措置の内容である。
タイとの主な違いを考えると以下の通り。
・特例措置は行うが、これまでの合計滞在日数が長い場合は制限あり(台湾)
・この騒動の長期化を想定して特例期間を長めに考えている(イギリスは5月31日まで、アメリカは就労ビザの場合240日)
・理由があって出国できない場合のみ特例措置(逆に言えば、原則は外国人は帰国させる)(ベトナム)
タイがこれからどの方向性に舵を切るのかは不明だが、特例を事実上しない(ベトナム)か、条件を厳しく(台湾)するのでもなく、アメリカやイギリスのように特例を長期ではなく、小刻みに5月以降は再延長を可能にするかどうかを当局が判断できるようにしてある、というところに、観光やバカンスでの長期滞在者が多いが、感染者拡大はおさえたいタイの苦しいジレンマがすけてみえる。こういった部分も予測の上で参考になるだろう。