
今晩はどこの店で飲もうかな?とタニヤ通りを歩いていると、いろいろな店の客引きが、片言の日本語で声をかけてくる。タニヤに一度でも行ったことがある人なら全員が体験したことがあるだろう。
「社長!カワイイ娘いるよ」
「カラオケどうですか~」といった言葉が定番だが、一部の客引きがよく使う呼びかけ文句に「ミルダケ~」とか「見るだけタダ」というフレーズがある。
みなさんご存知のように、タニヤのカラオケ店に入るとまず、一緒に飲む女の子を選ぶ。小さい店なら店の入口で数名が立って並ぶのでその中から選ぶ。大型の店なら、店の入り口付近にひな壇が設けられていて、そこにずらりと並ぶ女の子たちが「日本語できるよ~」「私やさしいよー」などと手を振って呼びかけてくるのを見てチョイスしていく。客引きが言っていた「見るだけタダ」とは、このように、
「とりあえず店へ上がって女の子を見ていってよ。女の子が気にいらなければ他の店へ行ってもいいから」という誘い文句だ。
本当に「見るだけ」はOKなのだろうか?
結論を言ってしまうと、見るだけは無料なのは本当だ。店へ入って並ぶ女の子の顔触れを見て気にいらなければ外へ出ても、こわい人が出てきて無理やり閉じ込められるようなことはタニヤではない。
ただし、言葉を真に受けて、3店も4店も「見るだけ」を繰り返してはしごするのは、おすすめしない。理由は次の2つである。
1、フリーの客引きがつくと“タダ”じゃなくなる
タニヤには“ガイド”と呼ばれる人たちがいる。これは要するに客引きのことだが、フリーガイドと呼ばれるどこの店にも所属しない客引きがいる。
かれらは、店にお客を連れていけば、店からバックマージンがもらえることになっている。だから、あなたに必死に声をかける。その時の釣り文句が「みるだけ無料」なのである。
あなたが客引きと一緒にある店へ行き、適当に女の子を見てから、他の店へ行き、というのを繰り返して、最終的にはどこかの店で飲むことにする。すると、あなたを引っ張りまわしたその客引きは、その店からバックマージンをとるのである。問題は、そのバックマージンを店側が負担せず、あなたが飲み終わった後の請求書に上乗せする場合があるのだ。つまり、「見るだけ」の代金を見えない形で払わされているのである。
2、女の子選びは早い者勝ち
「見るだけ」という人は、複数の店を見ても良い娘が見つからなかったら、さっき見た店に戻って“候補”にしていた娘を選べばよい、と考えているが、実際にやってみればわかるが、最初に見た店に戻っても、気になっていた女の子は既に姿を消していることが多い。
タニヤ通りにはたくさんの観光客がやってくる。また、駐在員といってタイにある日本企業に赴任してきている人やタイ在住の日本人も少なくない。これらの人々がタニヤ通りを歩いているのだから、当然、人気のある娘、見た目の可愛い娘、スタイルの良い若い娘は、すぐに指名されていく。あなたが気になった女の子は、他の人が見ても気になる存在なのだ。「見るだけ無料」といって、いろいろな店を見て歩いて時間を無駄にすると、結局“残り物”しかなくなるのである。女の子選びは先手必勝だ。
以上が、「見るだけ無料」の裏事情だ。
もちろん、店へ入って女の子が全員おばさんだったとか、3,4人しか残ってなくてタイプの娘がいない、というようにはっきりダメだとわかったらすぐにその店を出るのは問題ない。
良い娘をじっくり選ぶ裏技
では、最後に、良い娘をじっくり選ぶ裏技をお教えしよう。
わざわざ何店も観て歩かなくても、ある程度大きくて人数がそろっている店なら、じっくりみれば、タイプの娘がいるはずだ。しかし、たいていの店は、次のお客も後ろにつかえているので「早く選んで」と急かされる。30秒ほど、パッと見ただけでは40人や50人もいる中からは選びきれないというのが現実だろう。そういう場合は、「おれはゆっくり選んでもいい?」とチーママに言って、女の子指名は保留にして席に案内してもらい、座って飲み始めればよいのである。
なるべくひな壇が近い席にしてもらって、飲みながらチラチラ女の子を観察する。お客が観に来ていないときは、油断して、携帯をいじったり隣の娘とおしゃべりをしたりしているから、素の彼女らの様子をみて女の子を選べる。これなら、大勢の女の子が「ハイ!ハイ!」とアピールしてくるのに惑わされず、じっくり選ぶことができる。
あるいは、座って飲んでいる席から、ひな壇が見えなければチーママを呼んで、好みのタイプを伝える。そしてそれに合う娘を3,4人だけ席へ連れてきてもらい、そこから選ぶのだ。
ある程度有名で大きい店なら、こうしたことには対応してくれるので(小さい店だと、そもそも選ぶほど人数がいない)試してみることをおすすめする。